この記事は以下のような方に読んでいただけると嬉しいです。
- 外国籍、生活保護、高齢者などの住宅確保要配慮者の方
- 外国籍、生活保護、高齢者などの住宅確保要配慮者の物件を探している方
- 逆に賃貸物件を借りる際に苦労したのことない方
家を借りるという事
貸す側も人間、借りる側も人間、同じ人間のはず。ということは分かっていても理解しあえないことがあります。
住宅確保要配慮者とは?
住宅確保要配慮者とは、住宅の確保に特に配慮が必要な人々のことを指し、以下のような方々が含まれます。(省令で定められるものを含む)
- 低額所得者
- 高齢者
- 障害者
- 被災者
- 子育て世帯
- 外国人
これらの方々は、住宅の確保が難しい場合が多いため、国や地方自治体が支援を行っています。例えば、賃貸住宅の供給を促進するための「住宅セーフティネット制度」などがあり、これにより住宅確保要配慮者が安心して住まいを確保できるようにしています。
じゃあ部屋探しはあまり困らない?
そんなことはありません。
「住宅セーフティネット制度」とはいっても対象となる物件数が圧倒的に少ない状況です。
また、多くの方は制度自体知らない可能性があり、地元の不動産屋さんに足を運ぶことがあります。
僕も、上記に当てはまる方を数多く対応させていただいたことがありますが、部屋探しには時間がかかることが多いです。
それはなぜかというと、貸主や元付会社(貸主と直接やりとりしている業者)に、断られる率が高いからです。
結局、貸主も元付会社も人間ですので、「問題を起こしそう」とか「なんとなく印象が悪い」とかで断ってくるわけです。
そのため、相当な数の物件をピックアップしまくって、1件ずつ問い合わせしまくって、何件か候補を出して内見いただいて決めていく感じになりますので、あまり希望条件を多くは叶えてあげられないことが多いです。
実体験として問題が発生する割合
僕からいわせてもらうと、いわゆる「普通の人」だとしても、いい人なのかやばい人なのかなんて、わからないことのほうが多いと思っています。
部屋を決めるまでは、特に問題が起きなければ「普通の人」なんでしょうが、何かしらの問題がおきた時に豹変することなんてよくある話だと思っています。
一方で、住宅確保要配慮者の方が実際に問題を起こしたという話はあまり聞きません。もちろん、無くはないのですが、「普通の人」と比べて特別に多いとは体感としてあまり感じませんでした。
やばい人はどちらだろうが最初からやばいので、そういった方の場合はどこかのタイミングで丁重にお断りしています。
家を貸すという事
とはいっても、日本の法律は貸す側に不利にできています。なので慎重になる気持ちはわかります。
借りる側の優位性
借りる人がいい人でもやばい人でも、賃貸借契約(借地借家法により)は借りる側のほうに優位性があります。
契約書にしっかりと特約や条文条項を入れておかないと、必要なことでも借主に請求できなかったり、請求しても満額がでなかったりするためです。
そのために貸主は貸す条件として、保証会社の保証委託契約というものを締結することで、リスクを最小限に抑えようとしているのです。ただ、それでも貸主がとりっぱぐれることがある話を聞くことがあります。
いわゆる家賃滞納なんかは、代位弁済を発動すれば保証会社が上限は決まっていますが保証してくれます。(3か月ぐらい連続滞納すると明け渡し訴訟などで強制退去をくらうイメージ)
ただ、それで強制退去をさせても、原状回復費用が必要となるのですが、これは全額でないことがあるあるです。(条件が厳しめだったりするため)
そうすると、少額で済めばまだ諦めが付くと思うのですが、高額になった時は笑えません。実費で原状回復しなければならないわけですが、場合によっては100万超えます。
貸主は、貸す時は大丈夫でも、解約や契約解除という出口部分で、大きなリスクを背負っているわけです。そのため、貸主の経験や考え方として、できるだけ無難そうな人を入居させたいという気持ちになりお断りするという流れが多いかと思います。
なので、リスク軽減のために住宅確保要配慮者に含まれる属性の方は、そう分類されるだけでお断りされてしまうのです。
借りる側の優位性2
借りる側も保証会社や貸主の審査を受けて、入居に至るわけですが、正直保証会社の審査が通れば、金銭的なリスクは軽減されるため、多くの貸主は審査を通過させます。
そのため、借りる側はその審査が通貨するまでは、普通の人っぽく振舞っていれば「お人柄」的にクリアできてしまうのです。(実際に貸主と面談が発生するケースはかなり少ない)
結局はどんな人かなんて、書類だけじゃわからないんですよね。
なので、多くの貸主は、付き合いの長い=過去実績のある不動産屋さんとの取引を重要視することが多いです。(新参の不動産屋さんの言葉はあてにならないという印象を持っている)
おわりに
今回は少し暗めな話題でしたが、色んな苦労をそれぞれがしているということを記事にしてみました。
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